私たちの日常食、白いごはん。その炊きたての暖かさと柔らかさは、どんなお料理とも相性ピッタリですよね。
けれども、毎日新鮮なごはんを炊くのはなかなか大変。特に一人暮らしをしていると、まとめてごはんを炊いて冷凍しておくというのが、とっても便利。
また、予想以上にごはんが余ってしまった時に冷凍しておけば、次に食べたいときにサッと解凍するだけで、簡単に食事の準備ができますね。
通常、冷凍したごはんを解凍する際には電子レンジを使うことが多いですが、電子レンジがない家庭もあるし、停電などで電子レンジを使えない時もあります。そんな時でも大丈夫!電子レンジを使わないで冷凍ごはんを美味しく解凍する方法を、ここで紹介します。
冷凍ごはんは自然解凍してはいけない?
普通に肉や魚を解凍する時は、自然解凍がよく推奨されますよね。これは、食材を急に温めると味が落ちるから。でも、ごはんの場合はこの方法がNGです。
なぜかというと、ごはんのでんぷんが冷えると硬くなる性質があるからです。再加熱すれば、炊きたてみたいにまた柔らかくなりますが、自然解凍だとでんぷんが硬いまま。
さらに、自然解凍だと、ごはんがちょうど良い温度になるまで時間がかかり、その間にごはんの水分が飛んでしまって、結果的にパサパサに。
なので、ごはんを解凍する時は早く温めることがコツです。これができれば、ごはんの美味しい柔らかさを保つことができます。
フライパン活用!冷凍ごはんをサッと美味しく戻す方法
電子レンジが手元になくても心配することはありません。実は、家庭にある普通のフライパンを使って、冷凍したごはんを手早く美味しく解凍する方法があります。キッチンに必ず一つはあるフライパンで、この簡単テクニックを試してみましょう。
解凍ステップはこちら
・もし、ごはんがラップで包まれていれば、それを先に外してからフライパンに入れる
・そのごはんに少しの水を加える。(お茶碗1杯分のごはんに対し、おたまで半分程度の水を注ぐ)
・フライパンに蓋をして火にかけ、水が沸いてきて蒸気に満たされたら、ごはんをゆっくりと崩しながら全体に熱が行き渡るようにします。
この手順で、冷凍のごはんを炊き立てのような状態に戻すことが可能です。加えた水がごはんにしっかりと浸透し、冷凍で乾燥してしまったごはんをふっくらとさせる秘訣です。
さらに、解凍する前にごはんを少しだけ室温で温めておくと、より効率的に解凍できます。晩ごはんの準備なら、朝に出しておき、朝食に使う場合は前の晩に冷蔵庫へ移し変えると良いでしょう。特に暑い季節は、衛生的にも冷蔵庫解凍が推奨されます。
解凍途中で水が少なくなってきたら、適宜追加しましょう。また、ごはんを崩す際は、粒を潰さないように優しく行うことがポイント。自然と柔らかくなるのを待って、ゆっくりと解凍します。
冷蔵ごはんもフライパンでふっくら復活
実は、フライパンで冷凍ごはんを解凍するテクニックは、冷蔵保存したごはんを暖める時にも役立ちます。
冷蔵庫で保管していると、ごはんのでんぷんが低温で硬くなりがちで、そのせいでごはんが乾燥してパサパサになってしまいます。そうなると、ごはんの美味しさが半減してしまいますが、冷蔵保存は避けられない時もありますよね。
たとえば、余ったごはんを次に食べるまで少し時間があいたり、夏の暑い時期には、ごはんを常温で置いておくのは少し心配。そんな時、冷蔵庫での保存が選ばれることがあります。
この時、フライパンを使ってごはんを温め直せば、失われた水分を戻して、もちもちとした食感のごはんを復活させることができます。しかも、冷凍ごはんを解凍するよりも早く温められますから、冷蔵保存したごはんをすぐに食べたい時にも便利です。
もし解凍に失敗したらおかゆにリメイク
フライパンで水を加えてごはんを温める方法は、簡単で時間も節約できる便利なテクニックです。けれど、たくさんのごはんを一度に解凍しようとすると、時にはうまくいかないことも。ごはんが均等に暖まらなかったり、粒が崩れてしまったりすることがあります。
そんな時は、おかゆに変えてしまうのがおすすめです。フライパンに普段よりも多めの水を加え、軽く煮込むだけで、手軽におかゆを作ることができます。
おかゆにすると、もし解凍に失敗してしまったごはんも、美味しい一品に生まれ変わります。お好みで溶き卵や梅干しを加えたり、味付けに粉末のだしや鶏ガラスープの素を入れて、雑炊風にするのもいいですね。
トマト缶や牛乳、チーズを足して、リゾットのようにアレンジしてみるのも楽しいですよ。これらのアイデアで、ごはんのリメイクを楽しんでみてください。
蒸し器や鍋で簡単に冷凍ごはんを温め直し
電子レンジがなくても心配無用。実は、フライパン以外にも、普段使いの鍋や蒸し器を活用して、冷凍したごはんをふっくらと美味しく解凍する方法があるんです。
この時も、水蒸気を使ったやり方ですが、ちょっとしたコツがあります。それでは、その手順を一緒に見ていきましょう。
最初に、鍋や蒸し器に水をたっぷり入れて、沸騰させます。
その後、冷凍ごはんを蒸し器にセットします。もし鍋を使うなら、ごはんを水につからないように皿に置き、その皿を鍋に入れます。
約10分間、ごはんが全体的に暖かくなるまで加熱を続けます。
ごはんがちょうど良く温まったら、器に移してほぐしましょう。ただし、蓋を開ける際には蒸気でやけどしないよう、注意が必要です。
ごはんを蒸し器や鍋に入れる時、ラップに包んだままでも、直接入れても大丈夫です。ラップ無しで加熱すると、ごはんに直接蒸気が当たり、ラップのにおいが移る心配もありません。
ただし、ラップを外すと、蓋からの水滴でごはんが濡れ過ぎてしまうことも。その対策として、蓋に布巾を掛けておくと、水滴を吸収してくれますよ。
一度温めたごはんは、再冷凍は避けよう
「解凍したけど全部は食べきれなかったな…」と思っても、ごはんを再び冷凍するのは良くありません。一度冷凍して解凍した食材を、もう一度冷凍すると、その味や品質が下がってしまいます。
特にごはんの場合、解凍するときに水分が飛び、元々のふっくらとした食感が損なわれます。それを再冷凍すると、さらに水分が抜けてしまい、味も食感も良くなくなってしまうんです。
だから、解凍したごはんはできるだけそのまま食べきるのがベスト。もし余ってしまったら、チャーハンなど他の料理にリメイクしてみるといいですよ。
でも、解凍したらすぐに食べるのが一番です。そのために、冷凍するときは、後で一回で食べきれる量に分けておくことをお勧めします。そうすれば、食べたいときに必要な分だけ解凍できて、便利ですし、美味しさも保てますよ。