防水スプレーや撥水スプレーには多くの種類がありますね。
そもそも「防水」と「撥水」の違いがわからず、どちらを選べばいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
さらに、成分にはフッ素系とシリコン系の2種類があり、これも混乱のもとになります。
そこでこの記事では、防水スプレーと撥水スプレーの違いやフッ素とシリコンの違いなどについて解説します。
防水スプレーと撥水スプレーの違い
まず、防水スプレーと撥水スプレーの違いを理解するために、「防水」と「撥水」の意味を確認しましょう。
「防水」とは?
防水とは、水が入らないようにする技術や加工のことを指します。この技術は建物、服、電子機器など、さまざまな場面で使われています。
例えば、建物では雨水や地下水が入らないように、特別な膜やシーリング材を使います。服では、雨や汗から体を守るために、水をはじく素材が使われます。電子機器には、水による故障を防ぐために、防水ケースや特殊なコーティングが施されます。
「撥水」とは?
撥水とは、水をはじく性質や加工のことを言います。この撥水性によって、水滴が表面に留まらず、サッと滑り落ちるようになります。
例えば、撥水加工された衣類や傘は、雨が降っても水滴が衣類の表面を滑り落ちるため、内部が濡れにくくなります。
また、車のガラスに撥水加工が施されていると、雨の日でも視界がクリアに保たれやすくなります。撥水性は、日常生活で快適に過ごすための便利な機能の一つです。
防水スプレーと撥水スプレーの違い
「防水」と「撥水」の意味の違いがわかったところで、次に防水スプレーと撥水スプレーの違いを見てみましょう。
● 市販の大部分の防水スプレーは、実際には「撥水効果のあるもの」です。
● 成分によって「防水効果が強い」または「撥水効果が強い」と表現されます。
つまり、両者には大きな違いはなく、成分によって効果が若干異なるため、特性に合った名前が付けられているのです。
防水スプレー・撥水スプレーの「フッ素系」と「シリコン系」の違いと見分け方
防水スプレーと撥水スプレーは名前は違っても効果はほぼ同じですが、スプレーの種類によって「中に含まれる成分」が違います。
大きく分けて、シリコン系、フッ素系、の2種類があります。どんな素材(用途)に使うか?(吹き付けるか?)で使い分ける必要があります。
防水(撥水)スプレーを使うときは、皮革・ 衣類・金属などが主な使用目的になるでしょう。以下の説明で違いを理解し、シリコン系かフッ素系か、どちらを使えばいいか判断してみてください。
シリコン系が適しているもの
傘・雨具・レインコート・マリンスポーツで使用したい時にお勧めです。
シリコン系は、繊維の表面をワックスを塗ったように、丸ごと覆ってバリアをはるようなイメージで水を弾きます。
●長所…フッ素系のものよりも持続性があり、汚れにも多少強く、価格も安いです。
●短所…シリコン系は油性なので油を弾くことはできない、付着面が白濁したり、変色しやすい、通気性が悪くて、蒸れやすいです。
フッ素系が適しているもの
革製品(できないものもあります)・ 靴・鞄・布製品の多くで使用できます。
フッ素系は、水や油になじまない性質のトゲトゲが、繊維の表面に細かく付着して、桃の表面にある「うぶ毛」のように逆立っているイメージで水を弾きます。
●長所…適度に通気性があり、多くの皮革製品にも使用でき、油も弾いてくれるので防汚効果にも優れています。
●短所…摩擦に弱く、汚れがつくと効果が薄れる、原材料が高価なので、価格は高めです。
防水(撥水)スプレーの適切な使い方
新しく購入するアイテムには、すぐに防水スプレーをかけることをお勧めします。水滴がつく前に保護することを選択してください。
でも、まずは目立たない部分に少量をスプレーして色落ちの有無を確認してください。色落ちがなければ、全体にスプレーをしても大丈夫です。
防水スプレーの使用手順
スプレー前には、対象物が清潔であることを確認します。汚れがあると撥水効果が発揮されず、汚れが固まることもあります。15~30センチほど離して均一にスプレーしましょう。何度かに分けてスプレーする方法もあります。全体が軽く湿る程度が理想です。
完全に乾かすことで防水効果が発揮されるので、最低でも20分は乾燥させてください。使用前日にスプレーをしておくのが最適です。また、スプレーは換気の良い場所で行うことが重要です。
革靴には防水?撥水?どちらが適している?
市販されている防水スプレーと撥水スプレーには、基本的に大きな違いはありません。しかし、革靴にはフッ素成分が適しているとされています。
革靴のメンテナンス方法
革靴を長持ちさせるためのケア方法をご紹介します。まず、汚れをしっかりと落とし、完全に乾燥させます。その後、栄養や保湿成分を含んだ専用クリームを塗り、最後に防水スプレーを使用します。これが革靴を長持ちさせるコツです。
お手入れの頻度は、汚れた時や1~2ヶ月に一度が目安です。ただし、素材によっては注意が必要です。エナメル、ヌバック、シープスキン、ワニ革、ヘビ革、ハラコなどには専用のコーティング剤を使用することをお勧めします。
オイルドレザーなどは、元々油分が染み込んで撥水効果を持っているため、スプレーは不要です。
まとめ
防水スプレーは非常に多用途であり、ボードウェアー、レインコート、傘、レインブーツなどのアウトドアアイテムに使用すると大変便利です。これらのアイテムにスプレーをかけることで、雨の日の活動がより快適になります。
例えば、レインコートや傘に防水スプレーを施すと、雨水が浸透しにくくなり、濡れる心配が減ります。レインブーツに使えば、水たまりを歩いても足が濡れずに済みます。
また、日常的に使用するアイテムにも防水スプレーを活用することで、その効果を最大限に引き出せます。例えば、日傘にスプレーをかければ、突然の小雨にも対応できるようになります。バッグにスプレーすることで、汚れや水分から守り、長持ちさせることができます。
さらに、エプロン、テーブルクロス、ランチョンマットなどの布製品にスプレーをかけることで、汚れが付きにくくなり、お手入れが簡単になります。
特に、掃除が苦手な人や忙しい人にとっては、防水スプレーは救世主となるでしょう。これらのアイテムにまとめて防水スプレーを施すことで、日々の手入れが簡単になり、掃除の手間を大幅に省けます。
防水スプレーを使うことで、日常の手入れが手軽になり、アイテムの寿命も延ばせるという大きな利点があります。