ゆで卵は手軽に食べられるだけでなく、さまざまな料理の材料としても大活躍します。けれど、殻をスムーズにむくのが意外と手間で、時にはちょっとしたストレスにもなりますよね。
でも、実はゆで卵の殻を簡単に綺麗にむく方法があるんです。そのコツは、卵をゆでる方法に隠されています。
ここでは、ゆで卵の殻がむきにくい理由や、簡単にむくコツ、さらには便利な切り方や保存のポイント、そしてちょっと特別な味付け卵の作り方まで、幅広くご紹介します。
ゆで卵の殻がむきにくい理由とは?
よく「ゆで卵は少し時間が経った卵を使うべき」と聞きますが、これには理由があります。ここでは、ゆで卵の殻がむきにくくなる主な原因を掘り下げてみましょう。
加熱と卵白の結合
卵を加熱すると、卵白内に溶け込んでいる二酸化炭素が膨張します。これにより、卵白の外側の薄い膜が卵の殻にぴったりと密着し、結果として殻が剥きにくくなるのです。
新鮮な卵の二酸化炭素
新鮮な卵は二酸化炭素を多く含んでいるため、殻と卵白の間に強い結合が生じやすくなります。時間が経過すると卵から二酸化炭素が逃げ、自然に殻がむきやすくなるため、買ってから1週間ほど経った卵が最適です。
十分な冷却がキー
ゆであがった卵を十分に冷ますことを怠ると、殻がむきにくくなります。冷水で急激に冷やすことで、卵の殻と卵白の間に微細な隙間が生まれ、簡単に剥けるようになります。
これらのポイントを踏まえると、ゆで卵の殻がむきにくい原因はいくつかありますが、正しいゆで方を学ぶことで、この問題を克服できます。
さらに、美味しい味付け卵を作るコツもあるので、ぜひ挑戦してみてください。これらの方法を使えば、ゆで卵をより一層楽しめること間違いなしです。
手軽にできる!ゆで卵をスムーズに剥くための裏技3つ
水が入ったボウルの中でゆらゆらと漂うゆで卵。でも、せっかく綺麗に茹で上がったその卵、どうやって上手にむけばいいのでしょう?
ここでは、日常でよく見かけるアイテムを活用した、ちょっと変わったけれど簡単な剥き方を紹介します。
卵を茹でる前の下準備:画鋲で穴をあける
まず最初のステップとして、卵を鍋に入れる前にちょっとした準備を。家にある画鋲や何か尖ったもので、卵の底部分に小さな穴を開けるんです。卵の先っぽではなく、もっと丸みを帯びた底の部分を選びましょう。
底にある「気室」と呼ばれる小さな空洞を通して、穴を開けることで、加熱した時に膨らむ二酸化炭素を上手く逃がせます。穴から少し水が入ることで、卵の内側の膜と殻が離れやすくなり、むきやすくなるわけです。
氷水でさっと冷やす
茹でたての卵を次に、氷水で急激に冷ますこと。急速に冷却することで、卵の白身が収縮し、殻との間に小さな隙間が生まれます。
卵のまるい部分に軽くひびを入れ、そのまま水の中で剥くと、水が殻と卵白の間に入り込み、さらにむきやすくなります。
特に、トロトロの半熟卵を作る時にも、この手順は必要です。熱湯に長く入れたままにおくと、殻がピタッと卵白にくっついてしまうため、茹でたら早めに冷ましましょう。
コップでカンタン剥き
コップを使った簡単なむき方があります。氷水でしっかりと冷やした後のゆで卵を、水を少し加えたコップや小さな容器に入れます。そして、そのコップをしっかりと振り、卵の殻に全体に細かなひびを入れていきます。
ガラス製の蓋付きのものがあれば一番ですが、手元になければ普通のコップでも大丈夫。蓋がない場合は、コップの口を手で覆ってしっかりと振りましょう。
10秒ほど振った後に卵の殻にひびが入れば、コップから取り出して、簡単にむけるはずです。
美しいゆで卵の作り方:温度ごとのコツとゆで時間の秘密
ゆで卵をきれいにむくコツは、その作り方に秘密があります。大切なのは、卵を鍋に入れるタイミングを、卵の温度によって変えること。
こちらでは、室温に戻した卵と、冷蔵庫から出したばかりの卵それぞれに最適なゆで方と、その正確なゆで時間について説明します。
室温の卵を使う場合:沸騰後に入れる
室温で5~10分放置した卵は、水がしっかり沸騰した状態の鍋に入れましょう。ここで言う「しっかり沸騰」とは、水面に大きな泡がボコボコと現れる状態を指します。この状態でゆでることで、希望の硬さにピッタリ合わせることができます。
室温に戻してからゆでることの利点は、卵が割れにくくなったり、ゆで上がりまでの時間が短くなったりすることです。
冷蔵庫から取り出した卵を使う場合:冷水からスタート
冷蔵庫から出したての冷たい卵を使用する時は、冷水からゆで始めます。冷たい卵をいきなり熱湯に入れると、急激な温度変化で割れやすくなってしまいます。見た目を重視するなら、最初から冷水に入れてゆで上げましょう。
しかし、卵が割れることで剥きやすくなるメリットもあるため、見た目が少し崩れても大丈夫なら、沸騰してから入れてもいいでしょう。
また、鍋に塩や酢を少し加えることで、卵が割れた際に中身が出にくくなります。
理想の硬さを得るゆで時間:半熟と固ゆで
ゆで卵の味と食感は、ゆでる時間によって微妙に異なります。以下は、半熟卵と完全に固まった卵を作るためのゆで時間の目安です。
室温に戻した卵を使う場合:半熟は7~8分、完全に固まった卵は12分が理想。
冷蔵庫から取り出したばかりの卵を使う場合:冷水から始めて水が沸騰してから、半熟は5分、完全に固まった卵は10分が適切です。
これらのポイントをおさえることで、卵の初期温度やタイミングを見極め、理想的なゆで卵を作ることができますよ。
ゆで卵を美しく切り分けるコツと長持ちさせる保存術
ゆで卵をキレイにむいた後は、さらに上手な切り方で見た目を美しく仕上げましょう。直接包丁を使うと黄身がべたつくことがありますが、ちょっとした工夫で簡単に解決できます。さらに、ゆで卵を長く美味しく保つための保存方法についてもお教えします。
美しいゆで卵の切り方
●ラップで包んだ包丁を使う
黄身が包丁につかずスッキリ切れる上、洗い物も手間なしで済みます。
●糸でサッと切る
切りたい箇所に細い糸を巻き付け、ひっぱるだけでキレイに切れます。特に半熟卵を綺麗に切りたい時に便利です。細いミシン糸がおすすめです。
●ゆで卵の楽しいアレンジ方法|型抜きで彩りを
ゆで卵の殻を剥いたら、温かいうちにラップで包んでお菓子の型押しに挑戦してみましょう。冷水で10分ほど冷やすことで、かわいい形がしっかり定着します。
お子さんのお弁当には、ハートや星の形が特に喜ばれますよ。100円ショップでも数多くのゆで卵用の型が見つかりますので、ぜひ探してみてください。
ゆで卵の新鮮さを保つ保存法
ゆで卵は殻がついている状態の方が新鮮さを長く保てます。一度剥いてしまうと、空気に触れる面積が増え、細菌に汚染されやすくなってしまいます。だから、冷蔵庫での保存がベストです。
日本卵業協会が推奨する保存期間を参考にしましょう。
殻付きで10℃で保存する場合:約3~4日間
殻を剥いた後の保存:できればその日の内に
もし卵にヒビが入っているかもしれない場合は、割れていると細菌が入り込んでいる可能性があります。そのため、見た目が少しでも怪しい卵は食べずに、安全を優先しましょう。
まとめ
ゆで卵を美しく切り分けるためには、ラップを巻いた包丁や糸を使うと黄身がつかずに済み、清潔かつ簡単です。また、型抜きを活用して、子供のお弁当にぴったりのかわいい形のゆで卵を作ることができます。
保存に関しては、ゆで卵は殻付きの状態で冷蔵庫に入れれば約3~4日間、新鮮さを保つことができますが、剥いた後はその日の内に食べるのが最適です。ヒビが入っているかもしれない卵は、細菌が入り込んでいる恐れがあるため、避けた方が安全です。